空き家問題について(その②)
彦根市でも空き家問題が深刻です。
市の調査によれば、当事務所のある城東学区は、おとなりの城西学区、平田学区と並んで、空き家率5%以上で、市内でも一番空き家率が高いところだそうです。
新快速がとまるJR彦根駅から徒歩2~3分の駅前立地なのですが、たしかに空き家は一定程度目につきます。
お子さんの通学路などにもちらほら空き家や空きビルなどがあったりしますので、保護者の方は安全面で懸念されているのではないでしょうか。
ちなみに、空き家率とは別で、「危険度の高い空き家の割合」が高いのは、市南部の稲枝西学区と亀山学区です。
市内の空き家の危険度評価で、危険度の高い空き家の割合はここ数年で1.5倍くらいに増えているとのことです。
さて、彦根市の空き家対策は、どうなっているのでしょうか。
調べてみると、まず、彦根市では、空家法の施行前の、2013年に空き家条例を施行しています。
内容を見てみました。
https://www.city.hikone.lg.jp/section/reiki_int/act/frame/frame110001745.htm
要約すると、老朽化などで危険な状態にある空き家について、所有者等に必要な措置を講じるよう、助言・指導・勧告・命令を行い、正当な理由なく命令に従わないときは氏名住所等を公表することができるという内容です。
これまでに、この条例に基づいて、氏名等を公表した例があるのかどうかはわかりませんでした。
また、彦根市では、空家法に基づく除却の略式代執行が2年ほど前に1件行われています。
空き家法の施行から約6年かかっていますが、対象の空き家の近隣の方は、長年の問題がひとまず解決されてほっとされたのではないでしょうか。
また、指導や勧告を行うケースにおいても、市内において代執行の実績があるのとないのとでは、その効果に違いが出てくる面もあるのかなと推測します。
全国的に見ると、彦根市の代執行実施のタイミングは、空家法の実施の主体となる約1700の市町村のなかで、だいたい早い方から3分の1くらいでしょうか。別に競争ではありませんし、必要性は自治体により様々ですが、積極的に取り組んでくださっている印象を受けます。
この件の除却の費用は560万円で、4割は国負担です。土地は抵当権がついているため、ひとまずそのままにしておくようです。
https://www.city.hikone.lg.jp/material/files/group/33/Press_release_ryakushikidaishikkou.pdf
さて、今回の代執行について、プレスリリースの記載をもとに、他の制度との比較など、いくつかの点について考えてみました。
続く→
作成:若山 桃子
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