相続土地 これからは放棄もOKに⁉(相続問題)

 法務省:相続土地国庫帰属制度の概要 (moj.go.jp)

 4月から、相続した土地を放棄(国庫帰属)できるようになります。

 地域特性もあると思うのですが、相談で、ときどき、「相続した土地がだんだん管理しきれなくなったからそろそろ放棄したいのですができますか?」とお尋ねいただくことがあります。使わない土地でも、手入れをしなければ近隣に迷惑をかけてしまうし、税金もかかるので、年々負担になっているという方が多いです。

 これまでは、「いったん相続してしまったら、後から放棄することはできないんです・・」と、お返事をせざるを得ないことが多かったのですが、これからは、「はい、できますよ!」ということに変わります☆  きりっ ( `―´)ノ

 これまで、土地を放棄や国庫帰属できる場合は、限られていました。

 ひとつは、相続放棄です。これは、家庭裁判所に申述をして、債務も財産も、一切相続しない方法です。おもに借金を抱えて亡くなった方などについて、ご家族が債務を相続しないために利用されています。相続放棄をする場合は、相続開始を知ってから3か月以内に手続きする必要がありますし、遺産を一部処分してしまったりすると単純承認とみなされて放棄できなくなります。なので、いったん相続して、遺産の預金を相続人で分けるなどして、土地だけがそのまま残っているというような場合に、後からこれだけを放棄することはできません。

 また、これまで、土地を国庫帰属させられるのは、相続人が誰もいない場合に限られていました。もともと相続人がいなかったり、全員が相続放棄をした場合です。このような場合には、利害関係人の申し立てにより、相続財産管理人(相続財産の清算人)が選任されて、土地を売却したり、売却できない土地はそのまま国庫帰属の手続きをしたりしています。

 ところが、4月からは、いったん相続した土地でも、一定の要件を満たせば、一定の手数料を支払って、国庫帰属させることができるようになります。

 つまり、これまでは、実質的には、遺産を全部相続するか、全部放棄するかしかなかった(限定承認という、相続した財産の範囲でのみ相続した債務に責任を負うという制度もありますが、ほとんど使われていません。)のが、これからは、預金等と土地をいったん相続して、後から土地だけを放棄(国庫帰属)するという新たな選択肢が増えることになります。

 土地の処分に苦労される場合が多い地域の方にとっては、とても重要な制度変更だと思います。

 ただし、建物の建っていない更地が対象で、ほかにも埋蔵物があったり汚染されていたり担保に入っていたり、権利関係に争いのある土地などは引き取ってもらえません。

 

 また、来年の4月からは、相続した不動産について、3年以内の相続登記が義務付けられます。(まあ、抱き合わせ販売というか、飴とムチというか、なんというか、はさみうちにしようとしてきているわけですね・・・)

 相続登記が義務化されます(令和6年4月1日制度開始)~なくそう 所有者不明土地 !~:東京法務局 (moj.go.jp)

  これまで、相続した土地をそのままにされていた方も、相続登記をして今後も管理・活用していくのか、あるいは国庫帰属の手続きをするか、そろそろ検討してみませんか?

 相続登記の前に遺産分割を進めたいとお考えの方、また、相続放棄、相続財産の清算人等については、当事務所にご相談ください♪

 国庫帰属の手続きについて詳しく知りたい方は、お近くの法務局にお尋ねいただくか、当事務所にご相談ください♪

 彦根支局:大津地方法務局 (moj.go.jp)

  

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                                     作成:若山 桃子

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