エンディングノートの色々について

 自治体で終活支援が始まっているようです。

 終活というのは、人生の最期を迎えるにあたっての準備ということで、いろいろな内容が含まれるようです。

 たとえば、終末期の医療ケアをどうするか、どのような介護を受けるか、お葬式やお墓はどうするか、遺言や相続のこと、また自分史を作成するというように多様な分野での意思決定や活動を意味しているようです。

 自治体の終活支援事業のひとつとして、手始めにエンディングノートを配布しているところが多いようです。

 彦根市でも、配布されています。表紙がひこにゃんで、親しみが持てる感じです。

    エンディングノートを配布しています!/彦根市 (hikone.lg.jp)

 内容は、名前や住所、連絡先といった基本情報、思い出、自分の好きなものの紹介、健康状態、終末期医療についての希望、介護の希望、後見、財産、葬儀のことなど、ひととおりの項目があって、書き込めるようになっています。割と無難な内容です。

 インターネットでダウンロードして読んだり、プリントすることもできますし、市役所の受付などでお尋ねになればパンフレット状のものをもらえます。

 どちらかといえば、これを頑張って書いて大切に保存しておこうというよりかは、こんなの配ってたよ、みたいな感じで、家での話題のきっかけにしたりといった使い方がメインかもしれないな・・・と感じます。

 なぜかというと・・・というほどでもありませんが、広告のページも割と多かったりするので、せっかくいろいろ書いて残すなら、もう少しご自身の好みに合うものを・・と思われる方も多いかもしれません。

 ちなみに、周辺の自治体さんのHPなども見ていたら、近江八幡市さんと米原市さんも同じエンディングノートを配布されているようです。表紙にひこにゃんがない以外は、内容も装丁も同じで、広告主だけ違うという感じです。

 栗東市さんは、「未来ノート」というタイトルで、手づくりっぽい雰囲気で、書き込む内容ももう少し詳しめになって、どちらかといえば医療系の事項が多い印象です。栗東市さんのマスコット、くりちゃんがのってます。

   mirainote.pdf (ritto.lg.jp)

 守山市さんは、結構、力をいれておられる印象です。

 エンディングノートが3分冊に分かれています。思い出やこれからのことといった自己紹介的なのが1冊目、2冊目は終末医療や介護、3冊目が相続や葬儀のことなどです。また、すでに第二版とありますので、ちょっと一歩先を行っておられる印象で、内容も練られているのかなと思います。

 それに、このエンディングノートの紹介や、書き方などについて出前授業もしていただけるようです。手厚いですね。

 草津市さんの未来ノートは、もっぱら医療系の内容です。

人生の最期まで、自分らしく生きる 草津市未来ノート|草津(city.kusatsu.shiga.jp)

 仕事柄、つい、遺産や遺言の欄に注目してしまいますが、終末医療のことも大切だし、思い出とか、自分の好きなものの紹介とかの欄も、結構いいなと思いました。

 自分が、年をとって、医療や介護のお世話になるときになって、もしあまりコミュニケーションがうまくできなくなっていたら、こういうあらかじめ書いておいたノートとかを見てもらって、一応把握してもらって対応したり、声掛けとかしてもらえたら、ちょっと安心感が得られるかなと思いました。

 滋賀弁護士会は出していないようですが、神奈川県弁護士会さんが出されているので見てみました。

 やはり、ほぼ財産の話で、最後の申し訳程度に終末医療の選択項目と、葬儀のことが少し載っていました。・・・・弁護士会で作るとなるとやはりこういう内容になるんだと思います(;^ω^)

  エンディングノートを作成しました|神奈川県弁護士会 (kanaben.or.jp)

 余談ですが、某税理士事務所のHPにのっていたエンディングノートは、なぜかクレジットカードのカード会社、カード番号、暗証番号、保管場所までも入力させる仕様になっており、入力した内容は自動的にデバイスに保存されると書かれていて、かつ、エンディングノートの保管サービスもしている旨書いてありました。・・・えっっっ!!どういうことなんでしょうか・・・・これはいろいろ心配ですね・・・。

 エンディングノートにクレジットカードの暗証番号を書く必要は決してありません。

 当たり前ですが、書くと非常に危険です。

 相続手続きのときには暗証番号なんてもちろん不要です。要注意です。

 当事務所では、相続に関するご相談を承っております。

 身近なお困りごとなどもお気軽にご相談ください♪

                       作成:弁護士 若山 桃子

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